ハサヌディン大学との交流支援を通じて学んだこと
2025年1月13日から19日まで、インドネシア・ハサヌディン大学の看護学科の学生7名と引率教員1名を横浜市立大学医学部看護学科に招へいしました。この期間中、両国の医療制度や災害支援の特徴、ICTを活用したメンタルヘルス支援の可能性について、講義や演習を通じて学びました。ハサヌディン大学看護学専攻の大学院生1名がおり、佐藤(看護学専攻精神看護高度実践看護師コース1年生)が行動を共にする過程で学んだことを報告します。
プログラム1日目:1月14日(火)
横浜市立大学福浦キャンパスの大会議室でオリエンテーションが行われました。庄司先生は、日本の医療制度と看護についての講義を行い、学生たちは積極的に質問しました。午後には山田先生が災害医療アプリの開発に関する講義を行い、学生たちはその革新性に感動しました。
ハサヌディン大学の学生と横浜市立大学の学生は共に学ぶ中で、赤井先生のご講義よりPFA(サイコロジカル・ファーストエイド)が災害時だけでなく日常生活でも活用可能であることを理解しました。また、ハサヌディン大学の教授がオンライン講義を行い、インドネシアにおける自然災害と医療対応について解説しました。講義後には、両大学の学生同士が活発に交流しました。

プログラム2日目:1月15日(水)
横浜市民総合医療センターを訪問し、日本の救急医療と災害医療について講義を受けました。学生たちは多くの質問をし、講義に熱心に耳を傾けていました。その後、施設内を見学し、ヘリポート、救命救急センター、ドクターカーを視察することで、日本の災害医療体制について体感的に理解を深めました。
午後には市内で防災フィールドワークを行いました。横浜市南区や中区を歩きながら、災害時の避難所、津波警報伝達システム、海抜表示などを調査しました。これにより、都市部と湾岸部における災害対策の違いを理解し、日本とインドネシアの状況を比較しました。

プログラム3日目:1月16日(木)
横浜市立大学の国際看護学Ⅱ(必修科目)の授業において、本学科2年生の学生たちはグループワークとプレゼンテーションに取り組みました。グループは7つに別れそれぞれのグループにハサヌディンの学生が入り、テーマに沿ってディスカッションしました。この活動を通じて、日本とインドネシアの災害医療システムと災害看護における相違点について議論し、相互理解を深めました。

プログラム4日目:1月17日(金)
西岡先生は、災害時における食事と心身の健康への影響について講義を行いました。学生たちは梅干しや醤油を使ったお茶を試しながら、災害時の栄養の課題とそれを補うために工夫された日本の災害食文化について学びました。
続いて鈴木先生が震災後のメンタルケアと支援活動について講義を行い、学生たちは多くの質問を通じて深い関心を示していました。
宮子先生は、東日本大震災時の看護やケア提供者のメンタルヘルスの課題について講義を行いました。地域の住民や訪問看護師らの「体験談」とそこにある精神的・肉体的な役割負担感にかんする映像を見ることで、学生たちは災害時における看護師の役割について深く考える機会を得ました。

プログラム5日目:1月18日(土)
本所防災館を訪問し、地震や火災に備える体験型プログラムに参加しました。東日本大震災や能登半島地震など震度7の揺れや煙避難体験、消火訓練を通じて、災害対応の重要性を実感しました。参加者からは、日本の防災・備災プログラムに感銘を受けたという声も聞かれました。午後には関東大震災で甚大な被害のあった浅草を訪問し、雷門や浅草寺を見学しました。伝統的な建築や歴史について学び、学生たちは浅草の活気ある街並みを楽しみました。

まとめ
このプログラムを通じて、学生たちは災害対策や医療支援に関する知識を深めると同時に、異文化交流を通じて互いの理解を深め、かつ両国間の友好関係も強まりました。
帰国後、1月23日にハサヌディンの学生たちが今回のプログラムを振り返り深く学べたことや印象に残ったことを各自1枚のポスターにして報告会を開催しました。両国の学生たちは互いのソーシャルネットワークツールで繋がり続けています。私もたくさんの刺激をいただき、学びを得ることができました。
(文責 M1佐藤美鈴)
下記グローバル推進室へのリンク
About the Sakura Exchange Science Program - Yokohama City University


