横浜地方検察庁を見学し講義を受けました

大学院の社会精神看護学分野、精神看護学分野、看護学科の4年生で横浜地方検察庁を訪問しました。

刑事手続や検察庁の業務概要について講義を受け、司法面接室を見学しました。

〇学生の学び

検察庁の役割や裁判の流れについて詳しく学ぶことができた。特に、児童への取り調べにおいては、適切な情報をいかに引き出すかが重要であり、質問内容や伝え方によって記憶や発言が変化してしまうため、慎重にカウンセリング的視点を取り入れて行われていることが印象的だった。また、精神疾患をもつ被疑者の入院制度や基準についても学び、報道だけでは理解できなかった実態を知ることができた。見学前は、検察の仕事は被害者側に寄り添う印象が強く、冷静に事例を検討するのは難しいのではないかと思っていたが、実際には中立的な立場を保ち、感情に流されず事実をもとに判断することの大切さを学んだ。

さらに、冤罪を防ぐためには客観的証拠を丁寧に扱い、複数の視点から矛盾や整合性を確認するクリティカルシンキングの姿勢が欠かせないことを実感した。検察官の仕事は人の人生に大きく関わる責任ある職務であり、判断には高い倫理観と冷静な分析力が求められると感じた。今回の学びを通して、感情ではなく論理的思考と公平な視点をもって物事を捉える姿勢の重要性を改めて理解した。

検察庁での講義・見学を通して、警察との関係や相違点について知り、犯罪被害者の方との関わり方について知ることができた。警察と比較すると市民と関わる場面は少なく、仕事内容や職業についてあまり知ることがなかった。どんな犯罪においても、被害者と加害者という関係ができてしまう以上、凶悪犯罪を犯した人と精神疾患があり意思判断ができない人とを、市民に対しての公正性・公平性を保ちながら、判断をしていくのはとても難しいことだと思った。また、子どもや性犯罪被害者に対して聴取を行うときに、特別な配慮がされた部屋になっていたり、聴取を執り行う側の性別を配慮したりしていることを知り、精神的負担の軽減のために工夫が行われていることがわかった。