保護観察所を見学し、グループワークをしました 

大学院の社会精神看護学分野、精神看護学分野、看護学科の4年生で横浜保護観察所を訪問しました。

〇学生の学び

更生保護について、社会復帰調整官の方のお話をもとに横浜保護観察所の組織及び業務の実施体制、保護観察官の業務、保護司について学ぶことができた。保護観察官は地域の保護司と連携し、生活環境の調整、関係機関等との連絡・調整、社会資源の開拓を行う。保護観察所における専門的処遇プログラムについて、性犯罪再犯防止プログラム、薬物乱用防止プログラム、暴力防止プログラム、飲酒運転防止プログラムがあり、認知行動療法に基づく体系化された専門プログラムが実施されている。これらの専門処遇プログラムは、裁判所で特別遵守事項に定められており、保護観察前・仮釈放前からプログラムを受けることが決定していると学ぶことができた。

また、保護司について、保護司は非常勤の国家公務員で、保護観察官と共に対象者の立ち直りを支える民間ボランティアであり、現在担い手不足が課題であると理解することができた。医療観察制度について、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った対象者の再発防止と社会復帰の促進を目的としており、処遇内容は大きく分けて鑑定入院、入院処遇、通院処遇にわけられる。社会復帰調整官は裁判所→病院→地域(保護観察所)までのすべての段階で対象者に関わり、関係機関相互間の連携の確保を担っている。グループワークでの事例検討を通して、入院処遇から地域で生活できるようになるまでの社会復帰プロセスを明確に理解することができた。

保護観察と医療観察の役割について学ぶことができた。保護観察では、犯罪を起こした人の更生を目指し、再び社会に適応できるよう支援している。以前は反抗的な態度をとる対象者への対応が大変な仕事という印象を持っていたが、実際には適切なプログラムを通じて社会復帰を促し、社会の一員として生活できるよう支援していることを知った。特に横浜保護観察所は大規模で、業務が明確に分担されている一方、地方では人員不足により個々の負担が大きい現状もあると聞き、地域による格差を感じた。

また、医療観察制度について事例検討を行い、精神障害を持つ対象者の強みと弱みをアセスメントし、その人らしく生きていけるよう支援することの重要性を学んだ。対象者理解のためのアセスメントは、看護で行う患者理解の過程と非常に似ており、共通する視点が多いと感じた。これらの学びを通して、再犯防止や社会復帰支援においても、看護のように個別性を重視した関わりが必要であることを理解した。