2023年4月1日付けで医学部看護学科 精神看護学領域の教授として着任しました、山田典子と申します。私は横浜市立大学医学部付属高等看護学校第1看護科の卒業生です。
 昭和の看護教育は、診療の補助業務を中心に学び、就職後インフォームドコンセントの促進から自己決定権、そして意思決定支援へとケアの中心が遷っていきました。
 治療も、専門家が考える最善の医療を患者が受け入れるものから、現在は、本人が望む人生を支え、当事者らが主体的に選び、納得したうえで治療を受けるスタイルに変わっています。
 一番大きな変化は、私の学生時代、患者のキーパーソンは迷うことなく「血縁の家族」でしたが、いまは血縁や入籍の有無を問わない最期を共にしたい人、しかし治療の決定権を持たない「重要他者」に移りつつあり、血縁を探すのが困難なことも珍しくありません。
 特に、長期間の入院を強いられてきた精神障害者の地域移行には課題が山積しています。精神看護を取り巻く環境は、社会の変化と同調し多様化しています。
 
 ぜひ、一緒に学び、考え、研究・行動してまいりましょう。