横浜市立大学 医学部 消化器内科学教室

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Wang F先生の論文が掲載されました.

Wang F先生の論文が掲載されました.

Establishment of nomogram prediction model of contrast-enhanced ultrasound and Gd-EOB-DTPA-enhanced MRI for vessels encapsulating tumor clusters pattern of hepatocellular carcinoma.Biosci Trends. 2024 Jun 12.

VETC (vessels encapsulating tumor cluster)は最近提案された病理でのHCCの増殖パターンで,陽性症例は転移しやすく予後不良といわれています.日本における肝癌の診断にはEOBMRIが主体であり,造影超音波は非特異例にoptionとして使用することが推奨されていますが,それらを用いて,VETCパターンの臨床予測モデルを確立することが目的です.101例の切除されたHCC病変111例が対象.術前のCEUSとEOB-MR画像の特徴,術後再発,生存情報を医療記録から収集した.最適なサブセット回帰と多変量Cox回帰を用いて,予測モデルを確立するための変数を選択した。VETC陽性群はVETC陰性群より統計学的に生存率が低かった.選択された変数は,EOB-MRIにおける動脈相(AP),肝細胞相(HBP)の腫瘍周囲増強所見,CEUSのAPにおける屈曲蛇行した腫瘍血管と腫瘍濃染,CEUSの門脈相における早期wash out,不完全被膜,腫瘍の大きさをもとにノモグラムが作成された.カットオフ値 168点で,無再発生存率と全生存率が異なることが示された.曲線下面積(AUC)は0.804,精度は0.820であり,良好な識別性を示した.決定曲線解析では,臨床的な正味利益(閾値確率>5%)が良好であることが示された.Hosmer-Lemeshow検定では優れたキャリブレーションが得られた(P = 0.6759).EOB-MRIとCEUSを組み合わせたノモグラムモデルのAUCは、EOB-MRI因子のみのモデル(0.767)およびCEUS因子のみのモデル(0.7)よりも高かった.CEUSとEOB-MRIに基づく予測モデル はVETCの術前非侵襲的診断に有効である.

切除の資料を御提供くださいました消化器病センター外科の熊本先生に御礼申し上げます.(沼田)