横浜市立大学眼科先進医療学講座

研究内容

角膜移植

角膜移植 Corneal transplantation

角膜は無血管であるため、免疫特権部位と言われ、全身の臓器移植に比べると拒絶反応は少ないとされている。しかし、角膜移植拒絶反応は全層角膜移植後では10-30%も、角膜内皮移植術後でも7%程度は起こるとされ、移植片機能不全の主たる原因である。角膜移植医の敵といえる。ひとたび拒絶反応が起こると、再発しやすく、初回手術、再手術に関わらず、角膜移植医は再発を可能な限り抑制する必要がある。拒絶反応は以下のようなメカニズムで発症する。

拒絶反応が起こると、最終的には角膜が白濁し、視力が低下する。

このような拒絶反応を予防する方法として、我々は2つのアプローチを行ってきた。(1)まず、拒絶反応が起こりにくい手術方法の開発である。 我々は過去に、角膜内皮細胞のみを移植した場合に、拒絶反応が起きないことを報告した。1) (2)次に、拒絶反応の引き金となる角膜血管新生やリンパ管新生を抑制する研究も行っている。2)3) 臨床においても角膜内皮細胞移植は拒絶反応が極端に少なく、DMEKという内皮細胞のみをシート状にしたものを移植する手技を国内で多数行い、視機能や手術手技に関して多くの報告を行っている。4)~10)

a、b DMEK術中写真
c、d DMEK術前(c)、DMEK術後(d)

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