横浜市立大学眼科先進医療学講座

教授挨拶

ご挨拶

眼科先進医療学講座 教授 水木信久

眼科先進医療学講座 教授 水木信久

この度、企業やOBより多大なご支援を頂戴しまして、横浜市立大学に寄附講座として「眼科先進医療学講座」を設置させて頂きました。本学医学部眼科学の主任教授であり、大学院大学医学研究科視覚器病態学の教授を兼務しています水木信久が、本寄附講座の教授も兼務させて頂きました。このような講座を設置できましたのも関係各位の先生方のご尽力の賜物と深く感謝しております。

横浜市立大学附属病院の最も大切な役割は、横浜市民をはじめとしたすべての患者様に高度な医療を提供することにあります。眼科診療におきましても、大学病院が最後の砦になって、重症患者様の受け入れや治療に専念しております。しかしながら、近年の医療技術や最新の医療機器の進歩により、多くのことが市中病院でも可能となり、市中病院と大学病院の垣根も低くなって参りました。しかしながら、最高学府としての大学および大学病院が果たす役割は他とは違った大切なものがあると考えております。それは、やはりアカデミックに新しいものを確立するか否かにあると思います。基礎と臨床の橋渡し研究(トランスレーショナルリサーチ)を推進し、難病と言われている疾患の病態を解明し、その新しい治療法を開発することが大学病院に求められている大切な使命の1つと考えます。

横浜市は首都東京に隣接し、人口380万人を超える大都市であります。横浜市内、神奈川県内の唯一の公立大学医学部であり、立地的にも環境的にも大変素晴らしい大学であります。毎年沢山の優秀な学生が入学し、卒業していきます。立派な臨床医になることはもちろんでありますが、基礎研究や臨床研究に一時身を置いてみることは、これからの長い医師人生において大変有意義なことであります。

今まで私達は、文科省や厚労省などの公的競争資金や民間企業との共同研究費などを沢山頂いて参りました。しかしながら、これらは全て研究使途が明確に規定されている研究資金であり、多額な研究費であっても、また年度内に残ってしまったとしても、その研究使途以外のものには使うことはできませんでした。しかしながら、今回、私達は、長年の研究活動が評価され、研究使途を全く制約されない寄附を頂戴することができ、眼科先進医療講座を設立するに至りました。医師や医師以外の教員、研究員を新たに採用し、難治性眼疾患の病態解明および基礎と臨床の橋渡し研究を推進して、新しい診断法や治療法を確立するような実りある講座になってきております。今後とも皆様方のご支援を賜れますよう深くお願い申し上げます。

目的

眼は私たちの視界に必須の感覚器官です。本講座では、眼疾患における次世代の医学・医療のための基礎を確立することを目指しております。そのために基礎研究に基づく疾患発症メカニズムの解析、疾患発症の予防対策、画期的な治療法の開発および臨床に基づく研究の推進を目的としております。

研究内容

生体分子の網羅的解析

日本における三大ブドウ膜炎(サルコイドーシス、フォークト-小柳-原田病、ベーチェット病)、強度近視、緑内障など眼疾患発症に関して、ゲノミクス、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、メタボロミクスを駆使し、生体内分子を網羅的に調べるオミックス解析を行い、症状発症要因解明、疾患の予防対策、的確な治療法、予後の質の向上を目指す。

遺伝子改変マウスを用いた眼疾患の機能解析

緑内障、白内障、強度近視などの眼疾患は、遺伝因子・環境因子双方の影響を受け発症する多因子遺伝子性疾患があります。疾患発症に関与が示唆されている疾患感受性遺伝子1つ1つの生体内での機能の解明は、発症メカニズムを紐解くカギとなり、疾患の予測・予防に役立つと考えらます。これらの疾患の発症メカニズムを紐解くために、遺伝子改変マウスを用いて疾患感受性遺伝子の機能解明を目的に研究を行っています。

ノックアウト(KO)マウスの作製

研究状況

  • ゲノム全域を対象とした遺伝子解析
  • ベーチェット病
  • サルコイドーシス
  • 遺伝子改変マウスを用いた機能解析
  • 角膜移植
  • 感染性眼疾患の予防と治療
  • 近視の進行予測のアルゴリズム、リスク解析
  • 抗加齢研究

関連リンク:横浜市大眼科

開設期間

お問い合わせ

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