佐藤 健 先生の論文が掲載されました.
佐藤 健 先生 (大学院生)の論文が掲載されました.
Sato T. et al. c-Jun N-terminal kinase in pancreatic tumor stroma augments tumor development in mice. Cancer Sci. 108(11): 2156-2165 (2017).
膵癌は他の消化器癌と比較し,癌周囲組織の炎症や線維化といった間質反応が非常に強いのが特徴です.今回我々は,マウスモデルを用いて,間質を構成する重要な細胞である腫瘍関連線維芽細胞(TAF)におけるJNKの活性化に着目し,解析を行いました.TAFにおけるJNKの活性化は,Stat3シグナルを抑制することで,免疫細胞の遊走を促すケモカインの一種であるCcl20の発現を抑制し,腫瘍免疫の活性化に重要な樹状細胞やCD8陽性T細胞の腫瘍間質への遊走を阻害する可能性が示唆されました.今回の研究が,まだまだ不明な点の多い複雑な腫瘍免疫への理解の一助となれば幸いです.
御指導頂いた芝田先生,前田教授に深謝申し上げます.(佐藤)