佐藤 知子 先生の論文が掲載されました.
佐藤 知子 先生 (附属市民総合医療センター・助教)の論文が掲載されました.
Sato C. et al. Postoperative bleeding in patients on antithrombotic therapy after gastric endoscopic submucosal dissection. World J Gastroenterol. 23(30):5557-5566 (2017).
抗血栓薬服用が胃ESDの後出血の危険因子であることは既報でも取り上げられていますが,2012年の抗血栓薬ガイドラインでは,出血の予防のみならず,休薬による血栓塞栓症の予防にも配慮し改訂されました.しかし薬剤別の出血リスクについては十分なデータなく,特にワルファリン服用者においては,ヘパリン置換が多く行われていましたが,最近の知見により,ヘパリンは血栓塞栓症予防においてはワルファリンと変わらないものの,有意に出血リスクが高いことがわかってきました.
本論文では薬剤別の出血リスクの検討を行い,抗血栓薬の中でもヘパリン,多剤併用が独立危険因子であることが示されました.これは本年7月にガイドラインに追補された内容を支持する結果でした.
御指導いただいた平澤先生,前田教授,内視鏡グループの先生方に深謝申し上げます(佐藤).