池田良輔先生(附属病院)の論文が掲載されました.
直腸ESDにおいて新しい牽引法で治療した症例を報告致しました.
ESDの成功の1番の秘訣は“Traction(牽引)”であり,1本の内視鏡のみでしか治療できないESDにおいてのtractionの存在は,外科手術における“外科医の左手(助手の存在)”と言われています.外科手術において助手(前立ち)は術者がうまく治療できるようにその場その場で筋鈎などを使って適切な視野出しを補助してくれますが,ESDの牽引法の一つである糸付きclipによる牽引は,ある方向には牽引できるものの,状況によって方向を自由に調節できる訳ではありません.今回糸付きclipによる牽引で,手術の前立ちのようにその場に合った視野出しが左右2方向に自由に調節できる牽引法(Bi-lateral traction(BLT) method)を考えました.糸付き牽引のため直腸など体外に近い病変などに限定されてしまうかもしれませんが,牽引方法の引き出しの一つとして持っておいても良いかもしれません.もし具体的なやり方やコツなど気になる事があれば,ご連絡ください.
最後にいつも投稿にあたりご指導頂いております前田教授に深謝申し上げます.(池田)