西尾 匡史先生の論文が掲載されました.
潰瘍性大腸炎(UC)に併発した腫瘍に対する内視鏡治療の長期予後を検討した研究です.high-grade dysplasia/adenomaでも長期予後が良好であることを示しました.日本と異なり欧米ではUC関連とsporadicを区別しないため,dysplasiaと記載をしていますが,今回は炎症とは関連のないsporadicな病変が多くを占めています.現状,日本ではUC関連のhigh-grade dysplasiaは手術適応なので注意が必要です.今後,世界的にも内視鏡治療が行われることが多くなるかと思いますが,適切な治療適応を決めるためにさらなる検討が必要です.
ご指導いただきました,平澤欣吾先生,国崎玲子先生,前田愼教授に深く感謝申し上げます.
最後になりますが,センター病院では全国的にみても非常に多くのUC併発腫瘍の診断・治療を行っております.このように症例集積・論文執筆ができるのも,ひとえにご紹介くださる関連施設・開業医の先生方のおかげです.この場をお借りして厚く御礼申し上げます.
今後も,UC併発腫瘍でお困りの際にはご紹介いただければ幸いです.よろしくお願い申し上げます.(西尾)