手塚 瞬先生の論文が掲載されました.
治癒切除不能な膵癌に対する二次治療について検討した単施設後向き研究の論文になります.二次治療については,2018年にナノリポソーマルイリノテカンを含む3剤併用の化学療法(NAPOLIレジメン)が本邦において薬事承認されたものの,modified FOLFIRINOX等の既存治療の使い分けに係るclinical questionが複数存在しております.本研究では,殺細胞系の抗がん剤3種からなるmodified FOLFIRINOXについて,二次治療でのリスク・ベネフィットバランスが保たれているのか否か検討すべく,神奈川県立がんセンターでNAPOLIレジメンの薬事承認前に施行していたFOLFIRIからFOLFOXへと移行するsequential chemotherapyとの比較を行いました.本研究の結果が,膵癌の患者さんと共に戦う日常診療の一助になれば幸いです.
最後に,2020年のASCO-GIでの発表からPUBLISHまで期間が空いてしまいましたが,見守ってくださった前田教授を初めとする共著者の先生方,研究の機会をくださった神奈川県立がんセンターの上野先生に御礼を申し上げるとともに,いつも心を共にしてくれる家族に感謝いたします.(手塚)