横浜市立大学 医学部 消化器内科学教室

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小林 亮介先生の論文が掲載されました.

小林 亮介先生の論文が掲載されました.

Predictors of recurrence of dysplasia or cancer in patients with dysplastic Barrett’s esophagus following complete eradication of dysplasia: a single-center retrospective cohort study. Surg Endosc. 2021 Nov 8.

私がカナダのトロントで臨床留学していた際に書いた論文になります.皆さんご存知のよう,食道癌は日本では扁平上皮癌が最も多いのに対し,欧米ではBarrett食道から発生する腺癌が最も多くなっております.

Barrett食道の治療は,日本と欧米でstrategyが異なっており,欧米ではdysplastic Barrett’s esophagusに対して癌の内視鏡切除だけでなく,その後,非癌部のBarrett食道もRFAによる焼灼やEMRなどでBarrett食道全体の治療(eradication)を推奨しています.しかし,早期癌を内視鏡切除した後の残存するBarrett食道の治療が,異時多発食道癌をどの程度抑えられるのか十分に分かっておりません.

今回私が出した論文はBarrett食道の癌を切除した(complete eradication of neoplasia: CE-N)後、残りの非癌のBarrett食道に対する根治治療(complete eradication of intestinal metaplasia: CE-IM)が,異時癌発生をどの程度抑えられるのかという報告になります.皆様の,欧米におけるBarrett食道の診療を勉強していただく機会になれば幸いです.(小林)