尾関 雄一郎先生の論文が掲載されました.
EUSは胆膵領域の診断・治療において日常診療でも欠かせないツールになりました.その安全性は極めて高いと報告されており,検査目的であれば外来診療でも積極的に行われています.
今回の報告は,観察目的の針生検を伴わない外来EUSの合併症として胃大網動脈の破綻を原因とし出血性ショックに至った症例報告です.EUSでは通常の上部消化管内視鏡より深い鎮静を必要とするため,検査後のバイタルサイン異常をともすると過鎮静の影響と誤診してしまう恐れがあります.本症例では検査後の血圧低値,意識障害に対して早期より適切なワークアップを行い,過去に報告がなかった本合併症を正確に診断し,カテーテル治療で軽快を得ました.
レジデント時代に経験した古い症例にも関わらず,長期に及び丁寧にご指導を頂戴しました三輪先生,杉森先生,前田愼教授に深く感謝を申し上げます.(尾関)