横浜市立大学 医学部 消化器内科学教室

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上野 誠先生の論文が掲載されました.

上野 誠先生の論文が掲載されました.

Randomized Phase II Study of Gemcitabine Monotherapy vs. Gemcitabine with an EPA-Enriched Oral Supplement in Advanced Pancreatic Cancer. Nutr Cancer. 2021 Jan 13;1-10.

膵癌が難治性である原因として,化学療法抵抗性とともに,悪液質を生じることが挙げられます.今回,膵癌悪液質の改善を目的として,EPA含有栄養剤によるランダム化第Ⅱ相試験を行いました.本研究はゲムシタビン単剤が標準治療の時代に開始し,結果が出たあとも,しばらく論文化出来ず,共同研究者の皆様にご迷惑をおかけいたしました.しかしながら,ランダム化介入研究を行うことで,悪液質の介入は,悪液質が進行した後では意味がない.改善するのは,治療効果でなく全身状態であり,その後の二次治療などに影響する,など多くのことがわかりました.最近,本治療とは異なりますが,新たな悪液質改善薬が薬事承認され,悪液質に多くの注目が集まるものと思われます.今後も,臨床試験を通じて,エビデンスを創出することに尽力したいと考えております.本研究に多大なご支援をいただき,杉森一哉先生,金子卓先生,三輪治生先生,他,ご協力いただいた先生方に感謝申し上げます.(上野)