福地 剛英先生の論文が掲載されました.
大腸ESDにおいてエキスパートでさえも’’中断’’に至る病変に関し,その臨床病理学的特徴を詳細に検討した論文です.特徴として中断に至った症例はほとんどが隆起型病変でした.これらは術前深達度診断がLSTなどに比べ比較的難しいため診断的ESDとなることも多いですが,術中に予期せぬ強烈な筋層牽引所見(MRS)を認める場合があります.MRSに対して剥離を完遂するには非常に高度なテクニックと経験が必要とされ,場合により大きな合併症を引き起こすリスクがあります.またそういった病変は結果的にSM癌であることも多く,MRSが出現し剥離に難渋した場合は途中で中断し,後日外科切除へ移行する’’引く勇気’’を持つことも考慮すべきです.ご指導いただきました平澤欣吾先生,前田愼教授に深く感謝申し上げます.(福地)