芝田 渉 先生の論文が掲載されました.
芝田 渉 先生(先端医科学研究センター・准教授)の論文が掲載されました.
膵発癌においてはKras変異が有名ですが,今回はHER2の膵発癌への関与を基礎的・臨床的に検討したものです.臨床検体においては,通常型膵癌の約40%,IPMCの約29%にHER2高発現を認めました.次にマウス膵特異的にHER2を発現させたところ,IPMN様病変が出現しました.またHer2とKrasとの同時に発現させたところ,膵腫瘍の増殖能が亢進し,またそのマウス由来の膵オルガノイドには腫瘍化能も認められました.HER2は,一部の膵腫瘍において悪性化に寄与していると考えられ,今後はHer2陽性膵腫瘍においてはHer2阻害薬が治療効果を発揮する可能性があることが示唆されました.
本研究にご協力いただきました皆様に,この場をかりて感謝申し上げます.(芝田)