活動報告

   学術活動    2020.11.01
 

横井医師が執筆した論文が受理されました。

横井英人先生が執筆した論文がToxiconに受理されました。


横須賀共済病院救急救命センターの横井英人先生のOriginal Articleが、
英文誌:Toxicon
論文名:Severe hypofibrinogenemia in patients bitten by Gloydius tsushimaensis in Tsushima Island in Nagasaki, Japan, and tretment strategy
に受理されました。 

 

 First authorとして初めてacceptされました。私事で大変恐縮に存じますがご報告させていただきます。
 私が2年間の離島研修時代に経験したツシママムシ(Gloydius tsushimaensis)咬傷に関する多施設共同後方視臨床研究論文です。世界で対馬にしか棲息していないツシママムシは謎が多いヘビです。咬傷はおそらくニホンマムシと同じだろうという推測を前提とし、かつ主治医の経験に基づいた裁量で治療されていました。その中でニホンマムシやほかの他国のマムシ属咬傷ではみられない重症低フィブリノゲン血症を稀に認めました。
 前例のない研究かつ最初は指導者がおりませんでしたので過去10数年間のカルテを洗い出しデータ整理する手探り状態からコツコツと始まりましたが、次第にジャパンスネークセンターや京都大学大学院のヘビ研究者にご協力をいただける様になり、蛇の捕獲や毒の採取、毒の凝固試験など一気に研究らしくなりました。論文作成が本格化すると統計や投稿や査読者に対するresponseなど細かい御作法などを当教室の先生に丁寧に指導していただき、まさに自分の論文に磨きが掛かっていく様でした。
 この論文を通して作成したツシママムシ咬傷治療マニュアルは2019年から対馬島内で統一化され、対馬で働く先生方からもご好評いただいております。
 大変思い出の詰まった論文が世に出ることはこの上ない喜びであり、ご協力いただいた多くの先生方に深謝しております。
 今後、治療マニュアル作成後の有用性を評価するための研究も行う予定ですので引き続き頑張ります。
 
 当教室では、関連施設・国内留学もプログラムの一つとして、これからも精力的に教室員に対して奨励し、救急医・集中治療医のみならず、それぞれのサブスペシャリティ取得を推奨し、しっかりとした指導ならびにサポートを行っていく所存です。