教室内教育 2023.6.13
G7サミット広島に関するマスギャザリング勉強会
2023年5月広島で開催されたG7サミットに当教室から医療班として活動された先生方(竹内先生・南先生・道下先生)より今回のマスギャザリングイベントに参加した活動報告を踏まえて日常診療とは異なる医療体制についてご報告をしていただきました。
以下当教室教室員坂口裕太郎先生より報告になります。
災害対応勉強会の特別講座として、G7サミット医療班活動についての報告会・勉強会に参加させていただきましたので、簡単ではございますが、ご報告いたします。
マスギャザリングや災害対応の基本的な内容からスケールを広げていき、これまで横浜市大が経験した災害と今回のG7サミットでの医療班活動の共通点(CSCAの重要性)と相違点を学びました。
具体的には、通常のマスギャザリング対応に加えてVIP対応が必要となり、VIPは重症度によらず非VIPのトリアージ赤の傷病者よりも、全ての過程において必ず優先されること、非VIP傷病者と搬送先病院を分けることなどでした。
今回数多くの医療班の中でも、最も花形である首脳会場、宿泊ホテルの会場医務室を当教室が担当したことや、日本医大チームからの引き継ぎで得られた知識など、今後にも繋がる活動であったことが伝わりました。
また道下先生からは、今回の本部組織の本部長であり、各部署に関わっている厚生労働省の医系技官について、普段担っている役割や医療現場と行政との橋渡しとしての具体的な活動をご紹介いただきましたが、厚生労働科研究に関しては当教室も参画している部分であり、教室としての幅の広さを再認識した次第であります。
勉強会で質問をさせていただきましたが、今回の患者情報(VIPは除く)に関して「J-SPEED」という災害診療記録ツールが用いられました。
平成30年に起きた西日本豪雨の際に初めて用いられたもので、情報集約力が強みであり、先日参加させていただいた神奈川県DMAT-L研修では、情報共有ツールとしてまだ取り上げられていないものでありました。
今回の勉強会で現場経験の共有をしていただき、次に出動する教室員の糧となり、さらに次に伝えていく、という連鎖を大事にしたいと思います。