活動報告

   学術活動    2020.04.26
 

道下医師が執筆した論文が受理されました。

道下先生が執筆した論文が日本救急医学会関東地方会雑誌に掲載されました。


当教室員であります現独立行政法人国立病院機構横浜医療センター救急科の道下貴弘先生の論文が、
雑誌:日本救急医学会関東地方会雑誌 2020 年 41 巻 2 号 p. 329-332
論文名: 健康食品の青汁を摂取し, 高カリウム血症にて搬送された1例
として掲載されましたので報告させていただきます。
この論文は、2019年の日本救急医学会関東地方会で発表させて頂いた「健康食品摂取に伴う高K血症の一例」を論文化したものです。
道下先生ご本人からの今回の報告です。
 
  今回がfirst authorとしての初めての論文になります。
 CKDの既往がある方が、青汁の大量摂取によって高K血症を来した症例です。徐脈ショックで来院したため、tPM挿入し、血ガス上K8点台の高K血症を認め緊急でHD施行。HD2回にて症状安定し退院となりました。来院後高K血症の原因検索のために食事歴を確認すると、来院2週間前より通常量の3倍で青汁を摂取していたことがわかり、青汁の大量摂取による高K血症の診断となりました。
 過去の論文でも腎機能が悪い患者においてトマトジュースやタルタルソースで高K血症の報告はありましたが、青汁での症例報告はありませんでしたので今回論文化しました。
 今回の症例では患者本人は青汁にKが多く含まれていることを知らず、大量に摂取していたため、腎機能障害を有する患者には食事指導等が大切であると感じました。
 また青汁の注意事項にも「腎機能障害を有する患者は服用に注意」等の文章が追加されるべきであると考えます。Kが多く含まれる食品としては野菜ジュースなどがあり、これらの食品にも注意が必要であると感じました。
 
 今回は、初めての論文だったので論文の体裁を整えるのに苦労しました。
この点については上級医であります大井先生に細かく指導頂きました。
またAbstractを英語で書く必要があったので初めて翻訳会社を利用しました。
使い方やどの会社が良いのか等も全く知識がなかったので大井先生から指示を頂きました。作成→大井先生の修正→投稿→査読→アクセプトの一般的な流れだったと思いますが、初めての投稿だったのでどういう査読が来るのか不安でした。
 関東地方会雑誌は学会発表すれば、雑誌の方から論文化しませんかと手紙を送ってくれるのでアクセプトされやすく、最初の論文投稿には適していると思います。論文作成というと面倒くさそうで、尻込みしてしまうと思いますが、当医局には指導して下さる先生もたくさんいますし、初めの一歩を踏み出すのが大切だと思います。
 次回論文作成する際は症例報告であれば英文誌に投稿を目指します。後方視的な観察研究であれば日本救急医学会雑誌への投稿を目指したいところです。2年に1回程度は論文書いていきたいですね。
 集中治療専門医取得には筆頭著者論文一編を含む論文2編が必要です。
 今後集中治療専門医取得を目指している自分にとっては大きな一歩となりました。
 
 当教室として、これからも精力的に学術的発表は教室員に対して奨励し、また若手医師に対してしっかりとした指導ならびにサポートを行っていく所存です。