活動報告 2024.2.19
多数傷病者災害対応コースMCLS開催報告
近年自然災害による災害対応について関心が高まる中、本年年始に起った能登半島地震でもその対応につきDMAT・DPAT・日本赤十字機構など医療機関の対応や消防・救急・警察の対応について学ぶ機会が増えている中で、今回当教室員がコース開催者として災害コースを開催いたしました。
2024年2月17日、18日の両日で横浜医療センターで多数傷病者への対応標準化トレーニングコースMLCSのインストラクターコースおよび標準コースが開催されました。
当教室からコースディレクター竹内教授、コース運営責任者吉田救命士、副責任者小川医師で行われました。
標準コースには、山縣医師・山本救命士がタスク参加し、受講生として廣見医師、岸本医師、宮川医師、江藤医師が参加し、全24名の受講生参加で局所災害対応について学びました。
このコースの特徴は、DMAT研修では医師・看護師・ロジといった完全に病院医療従事者がメインで災害を学びますが、MCLSでは救命士・救急隊・消防隊・救助隊・警察といった機関も加わることで局地災害を多角的視点から見えるところが非常に面白い特徴です。
机上シミュレーションにおいても各職種の方からの目線というのは少しずつ異なっており、よりCSCAにおけるcommand and controlの大切さを知りました。また多職種でディスカッションしながら進めていくことで達成感や一体感なども得られたように思います。また医師としては、災害現場の中で医師ができること、できなくてはいけないことを再認識させられるものでした。
その逆も然りであり、病院の医療者が局所災害をどのように考えているのかということが他機関から見ることもできるので非常に双方で学びが大きいのが特徴であります。
災害発生から超急性期-急性期-亜急性期の搬送に至るまで経時的に学びます。
今回は4グループに医師・警察をそれぞれ1名ずつ配置することができ、救命士・看護師をそれぞれ配置することによって非常に有意義な意見交換をしながらコースを進めることができました。
インストラクターとして毎回その状況を見ていても、毎回新しいことや異なる考え方を伺うことができるので非常に勉強になります。
今回も受講生の皆さん、講師の皆さんからも非常に多くのことを学ばせていただきました。
また、受講生の感想も色々と伺いましたが、それぞれかなり有意義なコースだったとおっしゃっていただいています。
特に、警察官や消防官が素早く警戒・危険区域や本部、救護所などを設置する姿に感動しました。
逆に、我々医療者が、DMATとして介入することによって搬送準備の優先順位が代わったり、病態の安定化による効果を討論することによって、お互いに以上に有意義で建設的なDiscussionができたという感想も多く寄せられております。
今後横浜市立大学でもコース会場開催を考えています。
いつ来るかわからない自然災害、すぐ目の前で生じるかもしれない局所災害においても対応できるよう教室員全体でレベルアップをはかっています。