活動報告

   学術活動    2022.03.09
 

島田医師が執筆した論文が受理されました。

島田医師が執筆した論文がAcute Medicine & SurgeryからPublishされました。


当教室専攻医の島田航輔先生のOriginal Articleが、
英文誌:Acute Medicine & Surgery
論文名:Hospital transfer for patients with postpartum hemorrhage in Yokohama, Japan: a single-center descriptive study.
に受理されました。 
 
専攻医3年目の島田 航輔と申します。
この度、日本救急医学会が刊行するAcute Medicine & Surgeryに論文掲載されましたので報告させていただきます。

日本は世界的にも安全に出産が出来る国ですが、それでも年に30人程度の妊産婦の死亡があります。
妊産婦死亡の最大の原因は、出産後の大量出血で死亡の18%を占めます。
出産後の大量出血の治療には大量輸血、呼吸循環の管理、緊急IVRや緊急手術といった高度救命救急センターでの治療を要し、外傷に近い治療戦略となります。そのため外傷同様に早急に止血を行うことが目標となり、産院や総合病院で産後大量出血を来たした場合、高次医療機関への迅速な搬送が必要となります。

しかし、今まで産後大量出血症例の高次医療機関への転院搬送についての研究は国内ではなく、本論文では高度救命救急センターであり総合周産期母子医療センターである横浜市立大学附属市民総合医療センターに転院搬送された出産後の大量出血の症例を検討しました。
当院には産院や総合病院から出産後の大量出血のため、4年間で101件の搬送があり、転院依頼から当院到着まで53分で搬送されていました。都市部で交通網が発達していることに加え、地域の医院と当院の連携体制により、早急な搬送が出来ていたと考えられます。
一方で搬送途中や病着直後の心肺停止例もあり、より迅速な搬送を目指す必要性が示唆されました。


本論文の執筆にあたっては、竹内教授に研究の機会とご指導をいただき、医局の上級医である谷口先生、統計の専門家である安部先生に直接ご指導いただきました。また周産期母子医療センターの先生方にも研究に多大な協力を頂いております。
このように上級医の十分なサポートを受けられ、科をまたいだ研究も行えることが医局の強みと実感した次第です。

私個人としては、専攻医の間に英語論文を1本書くという目標をなんとか達成できました。執筆の道中は辛いものでしたが、その分acceptの喜びはひとしおでした。
これを第一歩として今後も研鑽を積んでまいります。
 
 当教室では、関連施設・国内留学もプログラムの一つとして、これからも精力的に教室員に対して奨励し、救急医・集中治療医のみならず、それぞれのサブスペシャリティ取得を推奨し、しっかりとした指導ならびにサポートを行っていく所存です。