国際交流 2023.8.25
COVID-19後4年ぶりにUniversité Paris Citeから短期的に医学生の留学生を受け入れました。
2023年7月よりUniversité Paris CiteのMr. Isaac Bandaogo, Mr. Alexandre Guerandel (medical student, 4th grader)が 交換留学プログラムにて当大学に短期留学され、当科でそれぞれ2週間の研修を行いました。
COVID-19が世界中に蔓延して以来、なかなか国際交流が盛んに行えなかった4年間でありましたが、COVID-19が少しずつwith コロナ時代に世界中でなるに伴い、国際交流が盛んになってきました。
以前からパリ大学とは国際交流を盛んに行っておりましたが、ようやく今回再開されました。
センター病院及び附属病院での臨床実習で救急スタッフ・研修医・医学生と共に救急・集中治療の現場はもちろん、救急医療におけるシュミレーション実習・関連病院で横浜および日本の救急現場の実際を経験してもらうプログラムで実習してもらいました。
水曜日の附属病院での臨床実習では、研修医とともに英語教授回診に同行し、英語でのDiscussionをスタッフ・研修医を交えて行いました。
研修医・専攻医・スタッフと行動をともにすることで双方ともに刺激的な期間でありました。
国際交流とはその国の診療体制や診療方法を学ぶと言うだけでなく、文化や風習を学び、考え方を学ぶことができる非常に良い機会であると考えています。
今回もそれぞれが仲良くなり、国際交流を深めていたようでありました。
今回はそれに加え、日本の地域医療に関しても経験をしてもらいました。
なかなか他の国では経験できない地域医療を経験できなのではないでしょうか。
以下に地域医療教育を担当してくださった横井先生からの報告です。
当院は7月11日(Issac)と8月1日(Alexandre)の二日間、パリ・シティ大学医学部からの留学生2名を受け入れましたのでご報告いたします。まず彼らにすこしでもより良い実習経験をと思い、訪問件数調整や疾患バリエーション・患者さんへの事前説明・さらに私の英語力不安のため通訳人の調整を行い実習に備えました。
高齢者大国日本が抱える問題点と対策の1つである訪問診療についてまず説明し、彼らには診療助手として血圧測定や聴診、在宅現場での胸水ドレナージや採血を手伝ってもらったわけですが、患者さんの目線まで膝を着き日本語で積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢に驚かされました。
また「なぜ癌患者に胸水や腹水ができるのか?そしてなぜtapするのか?」や「食べられない患者に点滴はしないのか?」などと質問してくれたのも印象的でした。
彼らはパリで最難関大学の医学生であり、さらに一学年約900人いる中で交換留学生(しかも日本は2枠)選抜者は選りすぐりのエリートです。そんな彼らも20代前半のスポーツや音楽、そして日本のサブカルチャーを愛する普通の若者。
訪問件数も抑えていたので、「時間がある時は日課としてジムに行くけど、もしよかったら行くかい?」と尋ねると二人とも大喜びでついて来てくれました。二人目に至っては「Issacがジムに連れてってもらったと聞いて嫉妬してました。」というくらいでした。
国境や言葉の壁を感じさせない二人の明るさにただただ感服しました。
彼らの人生に少しでも関われたことは中年医師にとってはこの上ない喜びであり、このような貴重な経験ができたのも教授をはじめ教室員の先生方のお陰と思っております。
今後とも当院にできることであれば喜んでご協力させていただきます。
この交換留学プログラムを通じて日本・フランス間での救急・集中医療の共通点・相違点を学び双方の発展に繋がることを目指しております。
横浜市大救急医学教室では世界各国から随時留学生を受け入れ、また教室員の国際留学推進も積極的に行なっております。