活動報告

   医療支援活動報告   2021.06.30
 

沖縄・石垣島での新型コロナウイルス
感染症対応医療支援


 新型コロナウイルス第4波が日本全国で猛威を奮っている中で、沖縄の医療逼迫に対する沖縄県知事の国への要請を受けて、厚生労働省からの打診により当教室より2名の医師が沖縄に派遣され、医療支援を行いました。
 
 横浜市大附属市民総合医療センター高度救命救急センターから山縣英尋医師、横浜市大附属病院救急科から武田知晃医師が2021年6月18日から25日までの間、第1陣の大阪大学に続き、第2陣として現場の医療逼迫を支援すべく派遣されました。

左:武田医師 右:山縣医師

 沖縄本土も然り、沖縄の各島々でも新型コロナウイルス感染者の数は増え、対応病床のキャパシティギリギリの状態で入院管理も非常に逼迫しており、現地医師・看護師およびコメディカル・事務を含め、連続勤務による疲労・疲弊で医療崩壊をしかねない状況でありました。
 人工呼吸器管理・ECMO管理には非常に人員と機材が必要です。場合によってはその島では対応不可能なこともあり、場合によっては本土へ自衛隊ヘリにて搬送するシステムをとっております。

      

 今回当教室から派遣された医師2名は救急対応・集中治療対応はもちろんのこと新型コロナ対応に関して十分すぎる経験と人工呼吸器管理・ECMO管理を全て担うことができる優秀な人材が選ばれました。
 
 沖縄・石垣島 県立八重山病院への派遣となりました。県立八重山病院は石垣島全域と近隣の離島を含め、急性期の患者はほぼすべて搬送される中核病院です。とは言え、病床数は258床でキャパシティが大きいわけではなく、クラスターが発生し重症者が複数出るとすぐに逼迫してしまうような環境でありました。

      

 約1週間県立八重山病院での医療支援を行い、国・県・ECMOnetのバックアップの元、患者の状態の改善支援および現地医療従事者の疲労改善を含む支援を行い、状況を落ち着けた上で派遣勤務を終えました。この期間中には、早朝4時の状態悪化により本土に自衛隊のヘリによる緊急搬送がありました。

早朝のヘリ搬送

 今回の派遣により沖縄の医療逼迫は緩和され、第3陣の派遣は不要となりました。まだ終息の目処が見えない新型コロナウイルス感染症の対応を含め、災害対応・医療支援を当教室ではこれからも積極的に行なっていく所存です。

 

左:集中治療部医師と 右:八重山病院院長先生と