活動報告

 参加報告  2023.9.30

政府訓練に参加

政府管轄大規模災害時医療活動訓練に参加しました。

2023年9月30日高知県で開催された政府管轄大規模時医療活動訓練に武田医師が参加いたしました。


2023/9/30に政府管轄の大規模災害時医療活動訓練がありましたのでご報告いたします。
私はDMATタスク・コントローラーとして高知県に入りました。
配置された場所は、高知県南国市にある大湊小学校で、避難所の運営でした。
DMATの訓練では、、、
<行政側>
県庁内の災害対策本部、保健医療調整本部
市管轄の保健医療調整支部
市町村の市町村災害対策本部

<医療機関側>
広域な災害拠点病院
災害拠点病院
一般病院や救護病院、救護所など
のそれぞれ3段階となっていると思います。
 
が、今回はDMAT訓練としてもなかなか経験のない避難所という場所での訓練でした。
まず、発災してから数日経過した時点で自治会長が管理者となり避難所が設立されるということになります。
今回は避難所の設立・運営、救護所の立ち上げ、仮設薬局の設置、薬事トリアージ、災害食の提供、栄養指導、DVT予防の体操指導、浄水器による給水活動、ダンボールベッドの作成と設置、電気自動車による電源供給、母子避難スペースの確保など様々なミッションがありました。
参加団体は多岐に渡り、医師会、助産師会、薬剤師会、Peace winds JAPAN、三菱自動車、ダンボール業者、水道業者などで、一緒に上記ミッションに取り組みました。
そこでコントローラーとして参加した私からの報告としては、、、

避難所は孤立する可能性が非常に高い
よって自分の身は自分で守ることが原則ですが、1人では災害に打ち勝つことが出来ないことを認識し地域住民や保健所と連携し、リスクの高い小児・妊婦・高齢者・慢性疾患を有し薬が切れると病状が容易に悪化してしまう被災者を優先し地域全体で支えていくことが重要となります。感染対策含め公衆衛生学的なアプローチも要求されます。
 
そのために、どのように活動するべきか?
まず、避難所の管理者、リーダーは誰か?
この避難所の安全は担保されているのか?
外部との情報手段はどうするか?

今、ライフラインも含め、あらゆる資源において何が足りていて何が足りないのか?
いわゆる、CSCAの確立、状況分析が必要不可欠であるということを地域の方と共有しました。
それらが達成されてから、救護所の設立を行いました。
傷病者もたくさん溢れ返り、とても混乱しました。
そこで有効なのが、薬事トリアージとなります。
薬が欲しい、だけの被災者までも診察していたら救護所は間違いなくパンクします。
救護所内の診察室は本当に必要な傷病者だけに限定することが重要であります。
本部との連携で、赤トリを搬送するまではなかなか至らなかったですが(本部もそこまでの余裕は実際ない)、課題もたくさん見つけることが出来ました。
ご一緒させて頂いたDMATインストの方と私だけの2名で、避難所に集まった50名程のプレイヤーをコントロールするのは、非常に大変でしたが、私自身も勉強になりました。
 
ダンボールベッドに関しては意外にも寝心地が良く、地べたで寝るよりかは低体温のリスクは避けられるかなと感動しましたので写真を添付いたします。

  

また、搬送出来ない妊婦を体育館のどこで出産させるか、高齢者へのDVT予防のリハビリ体操なども勉強になりました。

今回の災害訓練では、本部や病院など前線での訓練ではありませんでしたが、地域住民を支える意味では一番前線に立って活動しなければならない避難所での訓練でしたので、非常に勉強になりました。横浜でも今後に活かして行きたいと思います。
いつ来るかわからないですが、必ずやってくる災害に打ち勝つため、
日々精進してまいります。


 神奈川県でもいつまた災害が発災するかわかりません。「その時」に動ける人材育成も我々横浜市大救急医学教室の使命の一つです。このような大規模実働訓練の反省を生かしてよりより体制整備に尽力してまいります。
 重症患者の治療に加えて「災害医療」に興味がある若手医師の皆様、お気軽に横浜市大救急医学教室までお問い合わせください。