活動報告

  学術報告  2019.12.30
 

産科救急勉強会を開催しました。

救急、産科、消防局合同で産科救急勉強会を開催しました。以下島田医師の報告です。


  2019年11月19日に横浜市南区総合庁舎において消防局と合同で救急隊員に向けた勉強会を開催しましたので報告させていただきます。
この勉強会は、共に横浜地域の救急を支えるメンバーである救急隊に医師の立場からの情報提供を行うとともに、消防からも意見を吸収してよりよい救急システム作りを目指す試みです。
 
今回のテーマは「産科救急」で、消防からは50名弱の熱心な参加者が集い盛況な会となりました。当医局からは竹内主任教授、谷口隼人医師が参加し、横浜市立大学付属市民総合医療センター 周産期母子医療センターから榎本先生が参加されました。
まず谷口医師から医師と消防との「共通言語の確立」のための基調講演を行い、「妊産婦死亡をゼロにする」ために産科危機的出血の際の高次医療機関への早急な転院の重要性が確認されました。続いて参加者に意見を募り、妊産婦の搬送で難渋した症例をもとに竹内本部長、榎本先生を交えて今後の消防活動、救急活動やメディカルコントロールにむけて活発な意見交換がなされました。
 
榎本先生からの産褥期の救急の特徴、墜落分娩症例の対応について講義ののち、シナリオをもとに実際に3人一組とした救急隊が妊産婦対応についてシミュレーション学習を行いました。最後にモデルを利用した分娩介助の実習を行い、勉強会は終了となりました。救急隊からも症例の少ない妊産婦の搬送について実際の対応がイメージできたと大変好評でした。
 
地域の救急医療を支えるという救急医の業務は院内での診療のみで完結できません。傷病者が出たときにいかにスムーズに病院搬送まで繋いでいくかのシステム作りを行っていくのも救急医のミッションとなります。そのため今回の勉強会のように当医局では院内での日常診療だけでなく、消防などの他組織との合同での活動も盛んに行っています。