活動報告

   参加報告  2018.11.28
 

テロ災害合同訓練が実施されました。

横浜市南消防署主催のテロ災害合同訓練に横浜市立大学市民総合医療センターが参加しました。以下酒井拓磨助教の報告です。


 この度11月28日に南署との合同訓練が実施されました。南消防署主催のもと、南警察署、南消防団、機動特殊災害対応隊、鳥が丘大型除染隊と市大センター病院が参加しました。本訓練の想定は、犯人が化学剤(塩素)を飲食店で散布し傷病者が10名発生というものでした。災害対応隊が出場し現場で除染を行い、トリアージをして医療機関へ搬送するというものでした。
 
 今回はメディカルディレクターが出場し、現場医療の指揮をとり、その指示のもと活動しました。また、初の試みとしてウォームゾーンへ医師2名がレベルCの化学防護服を着装し、進入しました。ウォームゾーン内で呼吸停止の傷病者に対して気管挿管を行い、その後除染を行なっております。
 
 レベルCの化学防護服を着装しての会話や挿管行為は困難であり、あらかじめハンドサインを決めておいたり、筆談できる用意があると有用と感じました。挿管はできそうですがテープでの固定や包装を開けるなど細かい作業が困難でした。
 
 今回は医師が現場に出場し、さらにウォームゾーンまで進入しました。しかし医師は現場での活動に不慣れです。本来であれば医療機関で搬送される傷病者対応を行うべきとの意見もあります。現行法では心肺停止以外の傷病者への薬剤投与、気管挿管は医師のみしか行うことができません。現場での重傷者を救命するためには、医師以外の職種、特に現場活動に慣れている救急救命士による薬剤投与、気管挿管が必要となり、そのためには法改正が必要となると思われます。