報告

   New Technology    2020.03.31
 

報告
ーより早く高度な医療を提供しますー

横浜市大附属市民総合医療センター患者搬送用大型救急車(通称:センターカー)が納車されました


 2020/3/31 横浜市大附属市民総合医療センターに、患者搬送用大型救急車が納車されました
写真1
写真2   
旧センターカーは、主に病院間搬送のみの用途に使用されていまし たが、 新センターカーには、従来の病院間搬送の機能に加え、下記の機能 を追加しました。

①災害時の医療指揮車両としての機能(Disaster commond機能)

災害時において多数の医療チームが参集した場合、医療チームを統括することが、
消防や警察といったカウンターパートと協働するには必要になります(Yokohama Medical Director制度)。
消防や警察では指揮車と呼ばれる車両が現場に出向きますが、医療の指揮車はありませんでした。
今回のセンターカー更新において、近年の状況(京急脱線事故、シーサイドライン逆走事故)も踏まえ、 災害拠点病院である当院として保有すべき機能と考えられました。

災害時は、現場に急行し、車両両側からタープを開けば、即座に指揮所ができます(写真3,4)。
写真3
写真4 
またNBC災害時等にはタープを広げることで、院外に乾的除染のためのスペースを即座に確保できます。
車両内部には、ディスプレイを装備し、ストレッチャーをおろし、折り畳みの棚を下ろせばデスクとなり、そこはまさに指揮本部です(写真5,6)。
写真5
写真6
車両にはリチウム電池を複数搭載しており、災害時の一時的な電源供給車としても利用できるようになっております(写真7)。
写真7
②ECMO(体外式人工心肺装置)等の重症患者搬送車両としての機能 (Mobile ICU機能)

当院は高度救命救急センターとしてECMO等を用いた重症患者の集約・治療を行なっております。
旧センターカーにおいてもECMO装着患者の搬送を行なっておりましたが、装置をストレッチャーとは別で 運ぶ必要があり、搬送には多くの労力が必要でした。今回の更新では、ECMO等をストレッチャーに搭載できる 専用ストレッチャーを導入し、電動リフターも装備し、スムーズな搬送ができるようになっております(写真8,9)。
写真8 
写真9    
また搬送中のトラブル対応ができるように車内には十分なスペース・照明を確保しております(写真10,11)。
写真10 
写真11
常時30W以上の電源が使えるため従来の恒温槽も利用でき、長距離搬送にも耐え得ります(写真12)。
写真12 
まさにMobile ICUと言っても過言ではない設備が整っております(写真13)
写真13
③従来通りの病院間搬送

車内にはエアラインレールという飛行機で使用されているシステムを導入しており、専用のアタッチメントで、
新生児搬送用クベース、車椅子、通常のストレッチャーも搭載できます(写真14)。
写真14
ストレッチャーを下ろせば、広いスペースが確保でき、最大6名までの患者を収容し、搬送もできます(写真15)。
写真15

新センターカーにより得られた機能を用いて、高度救命救急センターとして責務を果たしていく所存です。
今後の活躍にご期待ください。