診断部門
画像診断モダリティの進歩とフィルムレス化、各診療科の専門化に伴い、放射線画像診断における放射線専門医の役割は日々重要性を増していますが、そのことは当院でも同様で、すべてのコンピュータ画像および依頼のある画像に対してのレポートをPACS-report システム上で実施しています。このことにより病院内のすべての画像を一元的に管理しながら全診療科の医師とともに患者さんの診療に加わっています。
また、各種IVR(CTガイド下生検やドレナージ、悪性腫瘍に対する化学療法のためのリザーバー留置、止血を目的とした緊急IVR)を主体的に実施しています。
主な画像診断システム
- CT:MDCT 3台(80列 1台、64列 2台)
- MRI:3台(1.5T 2台、3.0T 1台)
- IVR:3台(IVR装置 2台、IVR-CT装置 1台)
- PET/CT:2台
- SPECT-CT:1台
- PACS system:Synapse
治療部門
現在、放射線治療は手術、化学療法と並び悪性腫瘍に対する治療の三本柱の一つですが、近年その重要性はさらに高まっています。特に、ほかの治療法と比較し治療後の生活の質(Quality of Life: QOL)が高く保たれることが大きな特徴です。
当院では、年間の放射線治療患者数が600人を超え、最先端の放射線治療装置・技術を駆使して、関連科との密接な連携のもと常に高精度で安全性の高い治療が行われています。放射線科専門医や認定医、放射線治療専任の技師などのスタッフを整えた神奈川県屈指の修練機関として質の高い研修が受けられるよう環境が整えられています。
主な治療システム
- リニアック(直線加速器) 2台
- 小線源治療装置(Remote After Loading System: RALS)
- 前立腺小線源療法専用手術室
- 治療計画専用CTシミュレーションシステム
リニアック(直線加速器):腫瘍に対して最適な方向(三次元的)から照射 | |
コンピュータによる照射シミュレーション |
最先端放射線治療の紹介
- 強度変調放射線治療(Intensity Modulated Radiation Therapy: IMRT)
強度変調放射線治療(以下IMRT)とは、多数のビームを組み合わせることによって放射線に強弱をつけ、腫瘍の形状に合わせて優れた線量分布を作り出すことができる画期的な放射線治療法です。IMRTは、その腫瘍への高い線量集中性から治療効果の増強を、また周囲正常組織の被曝線量・体積の減少から副作用の軽減をもたらすことが期待されています。
前立腺癌に対するIMRT:前立腺に線量が集中し、
大腿骨頭や直腸などの病変周囲臓器の線量は低く抑えられています
- ヨウ素(I−125)シード線源による小線源療法(Brachytherapy)
ヨウ素(I−125)シード線源による小線源療法は、早期前立腺癌に対する放射線治療法の一つです。放射性物質のI−125が密封された多数のシード線源を、超音波ガイド下に前立腺内に永久挿入します。当院では放射線科と泌尿器科との連携のもと1000例以上の症例を経験しており、高い治療成績を誇っています。
多数のI-125シード線源が前立腺内に挿入されています