フィルムアワードで金賞を受賞
第36回日本眼科手術学会総会会期中のファイザーフィルムアワードで西出忠之医師の『網膜下手術におけるクロコダイルテクニック』が金賞を受賞しました。
ファイザーフィルムアワードは日本で唯一の眼科手術のフィルムアワードです。
網膜下手術とは網膜の奥の病気、すなわち網膜下増殖組織を伴う網膜剥離や加齢黄斑変性などの硝子体手術の中でも眼の深い場所の手術を行う時に行われる術式です。
クロコダイルテクニックとは従来は強膜創を拡大していた網膜下手術を小切開のまま網膜に小さな穴を開けそこから病変部を取り除く網膜下手術際に行う手技です。
また、この手技を用いる時は必ず周辺硝子体切除を確実に行う必要があります。現在は硝子体を残す硝子体手術もありますが、このクロコダイルテクニックを用いる時は重症な網膜硝子体疾患が適応になりますので、眼内の硝子体の郭清が必要になります。
現在は網膜下増殖組織を伴う網膜剥離に適応があると考えられますが、将来は加齢黄斑変性に対するiPS細胞由来のRPE移植時に新生血管抜去を行いますが、その時に使用できる可能性があると考えられます。
クロコダイルテクニックの開発には西出忠之医師と共同で木村育子医師、中西美紗子医師、早川夏貴医師が技術開発に協力しました。