私は英国の大学に海外留学の機会を頂き、この度HP上に自身の経験を報告する機会を頂きました。まず、私のこの留学を後押ししてくださった横浜市立大学形成外科の教授をはじめとする先生方、スタッフの方々にこの場を借りて心よりお礼申し上げます。また倶進会留学基金（若手留学支援）を頂けたお陰で、有意義な経験を得ることができ大変感謝しております。本手記が医局員や関係者の皆様、特に今後留学を検討されている先生方の一助になれば甚幸に存じます。

私は形成外科専門医／学位を取得後、自身の研究を深めるとともに見聞を拡げることを目指し、海外留学を目指しました。もともと歴史あるヨーロッパに興味があり、西欧の病院や研究室の見学に行きました。留学先決定のきっかけは、ロンドンで開催された学会で拝聴した研究内容に感銘をうけ、その場でプレゼンターの先生に自らの研究内容をプレゼンしたことです。現地での面談／見学を経て、英国の大学病院附属形成再建外科教室に行くことを決めました。

留学先ではリサーチフェローとして、再生医療系の基礎研究に従事しました。私の所属するグループはイギリス人ばかりの環境でしたが、イタリア系、アラブ系、中国系の研究グループもあり、ラボ内で協力しあいながら実務に励みました。基礎研究以外には手術室に通って形成外科手術を見学し、日英の手術方法や内容の違いを勉強しました。またヨーロッパ留学の強みを最大限生かすべく、英国内外の各種学会や勉強会に参加・発表をする機会を頂きました。

私の住んでいた街は治安も良く、自然の豊かな場所で安心して生活できました。一方雨が多く、天候がころころ変わる英国らしい環境でもありました。業務以外の時間や休日は自由に過ごせるため、国内旅行やスポーツ観戦（フットボール、ラグビー、テニス）を楽しむことができました。

日本と同じ島国でありながら国際色が豊かで、歴史的文化的に豊かな国だと感じます。キリスト教の考え方が生活に根付いており、チャリティなど弱者に手を差し伸べる姿が印象に残りました。また、業務従事時間は短くても密度の濃い働き方をしている方が多く、参考になりました。

これから留学を考えている先生へ

自身の実力を伸ばし経験を積んだ上で、早めから準備をすることをお勧めします。特に英国はビザの取得条件が複雑かつ審査が厳しいためご注意ください。すべてが思い通りになるとは限りませんが、すべてが良い経験になるので、ぜひチャンスがあればチャレンジしてみてください。