横浜市立大学後援会 会長 原口 淳
横浜市立大学後援会会員の皆さま、日頃より後援会活動へのご理解とご支援を賜り感謝申し上げます。
この原稿を書いているのは10月ですが、ようやく秋の気配が訪れほっとしています。近年、毎年夏の各地の最高気温と猛暑日日数が更新されています。異常気象が常態化しており、台風の強大化、線状降水帯による豪雨災害などにより農水産物を始め地球の生態系に大きな影響が出ています。人類が生み出す科学技術の発達がこれほど地球環境に影響を及ぼすとは第一次産業革命が始まった260年前には誰も想像していなかったでしょう。
日本では総理大臣が替わり10月に衆議院総選挙が行われます。11月にはアメリカ大統領選が行われます。世界のリーダーが替わりこの複雑化した世界をどう導くのかという問いと同時に、リーダーを選ぶそれぞれの国の国民がどういう国家、社会の将来像を望むのかが問われます。
世界共通で普遍的なことをひとつ挙げるなら教育の大切さではないでしょうか。
何かを判断する際に知識や考える力の有無が社会の方向性を大きく左右するからです。
その教育のあり方も常に変化しており、インターネット普及前後で大きく変わったように感じます。インターネット後の社会では情報は早く広く伝播します。社会変化のスピードは加速度的に早くなりました。過去の経験値だけでは未来は予測できなくなっています。
教育においても「教えて育てる」から、「自ら学んで育つ」に比重が移りつつあるように感じています。社会のインフラ技術やツールを使いこなすという点で、情報収集と処理に関しては若いデジタル世代が圧倒的に有利な社会になっています。
一方、政治や経済の世界では相変わらず高齢の男性が多くのリーダーシップポジションを占めています。若い世代が感じる現在の日本社会への違和感と閉塞感の最大の要因かもしれません。
リーダーシップの新陳代謝こそが未来への希望、可能性であり、それを可能にするのが教育の役割であると思っています。
本学の学生が自ら学び、自己の知識と知性を磨き、自分の人生を切り開くとともに、より良い社会を牽引する人材として羽ばたいてくれることを願います。
後援会は学生の学びや生活に関わる幅広い支援を大学と一体となり進めてまいります。