新着情報

第53回日本神経放射線学会2024の参加報告

 加藤亜結美先生から学会の参加報告をいただいたので、掲載します。

 2/9,10に開催された第53回日本神経放射線学会に参加しましたので、ご報告致します。大会長は東京医科歯科大学脳外科の成相先生で、埼玉県さいたま市のソニックシティで行われました。コロナ禍前以来の現地開催のみであり、5年ぶりの全体懇親会も催され、2日とも大変盛況な学会でした。

 神経放射線学会は放射線科のみならず、脳外科の先生も多く出席され、CT,MRI画像だけでなく血管撮影や血管内治療についての演題や講演も多いのが特徴です。

 わたしは非常勤でお世話になっている神奈川県立こども医療センターで経験した「シェーグレン・ラルソン症候群の3例」を報告いたしました。画像所見は大脳白質のT2強調像高信号域が教科書的に有名ですが、白質病変の程度は様々で非特異的な所見です。一方、MRSでは0.9と1.3ppmに明瞭なピークを認め、診断に有用です。

 フィルムリーディングでは、視神経周囲のmalignant SFTや視床のRGNTなど難問が多かったです。福浦で非常勤をされている浅原涼子先生も、出血を伴った松果体部奇形腫の症例を出題されました。

 今回は抗Aβ抗体薬の使用開始に伴って、薬剤投与によって生じうる病態(ARIA)についての講演や講習会も行われました。ARIAの病態、MRIの所見やフォローの要件などについて解説がありました。

2024.03.14