新着情報

肥大型心筋症においてMRIを用いたストレインイメージングの有用性を示す論文がQuantitative Imaging in Medicine and Surgeryに掲載されました。

 心臓MRIにおいて心筋の動きの歪みをとらえられるストレインイメージングという技術が 用いられるようになってきています。 ストレインイメージングは、 心筋の収縮や拡張、 ねじれなどの複雑な動きを定量的に評価できる技術です。最近では、シネ MRIを後処理することによってストレインイメージングの評価が簡単にできるようになっています。ストレインイメージングを用いることによって、従来評価できなかった軽微な心機能障害や予後不良に関わる情報などを得ることができるようになってきています。

 この論文では、肥大型心筋症におけるMRIストレインイメージングの有用性を評価するために八つの論文のメタ解析を行いました。ハイリスクのHCM患者とそうでないHCM患者の間で、多くのイメージングの指標に差があることが示されました(GRS、GCS、拡張期GRS率、拡張期GLS率)。また将来のイベント予測にGCS(心筋の円周方向のストレイン)が最も有用であることが示されました。

 MRI のストレインイメージングは、心臓超音波のそれと比較して、まだまだ臨床では広く用いられていない状況なので今後もエビデンスの集積が望まれるトピックとなります。

Cardiac magnetic resonance-derived tissue tracking strain in patients with hypertrophic cardiomyopathy

Shingo Kato, Nobuyuki Horita, Daisuke Utsunomiya

Quant Imaging Med Surg. 2023 Feb 1;13(2):1235-1239. doi: 10.21037/qims-22-522.

2023.03.03