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学会報告:ACC2023

 大学の宇都宮です。 

 3/4〜3/6にかけてACC2023@ニューオリンズに参加してきました。 

 ACCはAmerican College of Cardiologyの略で、世界をリードする最も重要な循環器科の学会です。Official journalがJACCであり、インパクトファクターは実に27.2というトップ中のトップジャーナルです。 

 私はイメージングセッション(Multimodality imaging)におけるパネリストとして参加してきました。このセッションでは循環器画像診断における世界のスタンダードと今後の方向性が示され、議論されました。また、SCMR(Society of Cardiovascular Magnetic Resonance) とのジョイントセッションも開催されていました。 

 短時間撮影MRI 特に「30-min MR imaging」が今後の方向性であることが強調されていました。必要なシークエンスを適切に選び、心臓MRIを受けることのできる患者を増やしていくことが重要であるとされました。また、Perfusion MRIは欧米では基本的撮影のひとつとして確立していることが感じられました。大学でも加藤真吾先生が無事に倫理委員会を通してくれたので、国内でPerfusion MRIを施行できる数少ない施設としてこれから積極的に取り組んでいけると思います。 

 CTではフォトンカウンティングCTによる高分解能CTへの期待が取り上げられていました。 

 ポスターセッションは所謂「貼りポスター」で発表者がポスターの前に立って、見に来たひとに直接説明、質疑応答を行うものでした。こういう距離感の近い発表形式は今となってはかえって貴重だと思いました。 

 クイズセッションは実在のクイズ番組「Jeopardy!」をモチーフに行われ、$100問題〜$400問題まで、地域ごとのグループで早押し対抗戦で行われます。かなり盛り上がり、アメリカ人は楽しみ上手だなあと改めて感じました。例えば$400問題になると「三心房心において膜構造を手術的に切除する適応となる圧較差はどの程度か?」といったかなりの難問揃いでした。 

 また、企業ブースも凝っていて、なかには「Relax & Recharge Lounge」として子犬と触れ合えるブースがあり、かなり癒やされました。このあたりもアメリカの自由な発想とキャパシティの広さを感じました。 

 想定外の長期不在となってしまいましたが、不在中、大学業務を守っていただき有難うございました。 

2023.04.01