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当科講師 加藤 真吾による糖尿病患者における冠動脈CTを用いた治療戦略に関する論文がEuropean Journal of Internal Medicineに掲載されました。

 冠動脈CTは冠動脈疾患の非侵襲的な検査方法として日常的に用いられていますが、冠動脈CTを日常臨床に積極的に用いることによって、患者さんの生命予後が改善するかという点に関しては議論の残るところです。近年、3つの大きなRandomized controlled trialが行われNEJMに掲載されました。それぞれ、PROMISE、SCOT-HEART、DISCHARGEという研究です。結果はまちまちでPROMISEはnegative、 SCOT-HEARTはpositive、 DISCHARGEはnegativeという結果でした。しかし、糖尿病患者のみに注目し、各試験を統合したメタ解析を行ってみると冠動脈CTを診療に加えた方が明らかに予後が改善するといった結果になりました。動脈硬化性疾患のリスクの高い糖尿病患者には、積極的に冠動脈CTを診療に用いた方が良いと言えるのかもしれません。

The positive impact of coronary computed tomography angiography-based strategies on the clinical outcomes of patients with diabetes mellitus.

Shingo Kato MD, PhD, Nobuyuki Horita MD, PhD, Daisuke Utsunomiya MD, PhD

Eur J Intern Med. 2022 Aug 27;S0953-6205(22)00307-7.

doi: 10.1016/j.ejim.2022.08.028.

2022.09.12