角田翔太郎先生(大学院生)の論文が掲載されました.
EUS-HGSは,穿刺、ガイドワイヤ(GW)による胆管選択,穿刺経路の拡張,ステント留置という一連の手順で行われますが,手技や使用デバイスに関しては標準化されておらず,特に胆汁性腹膜炎などの偶発症は致死的となることもあります.なかでも非拡張胆管へのEUS-HGSでは,穿刺針の太さやGWの種類に施設間で差があります.
当院では三輪先生の指導のもと,minimal dilationでのステント留置を目指し,安全な手技の確立とデバイス選択に取り組んでおります。これまでにも,7Fr Niti-S End Bare Single Flare(センチュリーメディカル社)を用いたEUS-BDに関する報告を多数行ってまいりました.
今回,非拡張胆管に対し新規の0.018インチEUS-BD用GW(J-wire NM;J-MIT社)を用いて挿管を行い,当初GWが胆管外に迷入したものの,スタックやGWの交換なくステント留置に成功した一例を報告いたします.
今後もこうした症例の積み重ねにより,安全かつ汎用性の高い手技の確立に貢献できるよう努めてまいります.
最後に,本症例を含めEUS-BDの手技指導からE-Videosの作成まで御指導いただいた三輪先生,日頃より御指導いただいております前田先生をはじめ,教室の先生方に深く感謝申し上げます.(角田)