三輪治生先生(センター・講師)の論文が掲載されました.
このたび,9Frの細径胆道鏡(eyeMAX; Micro-Tech)を使用した胆道膵管鏡検査(POCPS)の安全性と有用性について,横浜市大市民総合医療センターおよび横浜市大附属病院2施設のデータを報告させていただきました.近年,胆道鏡は様々なデバイスが開発されていますが,eyeMAXは画質や操作性の向上により治療だけでなく診断にも有用です.また,9Frへの細径化により乳頭部や肝内胆管,膵管への挿入性が高いだけでなく,バルーン内視鏡を介しての使用も可能です.胆道鏡用生検鉗子も使用可能であり,本研究ではほとんどの症例で病理診断が可能でした.膵管鏡検査時には,十分に乳頭が開大し膵管拡張を認める症例では,artifactを避けるために直接eyeMAXを挿入する,といった方法も紹介しています.
本報告が,胆膵がんの早期診断や精密検査の一助となれば幸いです.
2025年に入って,大学の胆膵領域から10本の論文を報告することができました(原著論文2報,Video article 8報).忙しい診療業務の中で,卒後10年目前後の若いスタッフが精力的に学会発表や論文作成を行っています.臨床研究は楽ではありませんが,最新の知見を学び,新たなアイデアを生み出していく過程で,患者さんに貢献できる優れた臨床医に成長してくれることを願っています.これから専門を選ぶ若い先生たちには,ぜひ大学での専門研修を視野に入れて進路を考えていただきたいと思います.
最後になりますが,eyeMAXの導入にあたり多大なるご協力をいただきました前任の沼田和司先生,杉森一哉先生,金子卓先生,附属病院とセンター病院のスタッフの皆様,前田教授に心より御礼を申し上げます.(三輪)