サージカルレチナ

■サージカルレチナ外来

サージカルレチナとは網膜疾患(retina:レチナ)を手術的(surgical:サージカル)に治療すると言う意味です。網膜疾患の治療はここ10年で劇的に進化しました。当科では低侵襲で手術が行えるように注射針の穴のような小さな創口から細い器具を挿入して治療する最先端の小切開硝子体手術を採用し手術をおこなっています。また術中の眼内の状態を的正確に把握するため、最新の広角眼底観察システムを導入し良好な手術成績をあげています。

1)裂孔原性網膜剥離

網膜の周辺に網膜の薄い部分があったり、外傷で強い外力が眼球に及んだりすると網膜に破れ目が生じ、その破れ目から網膜の下に水が侵入すると網膜剥離が生じます。網膜剥離のほとんどは自然治癒が見込めず、放置してしまうと失明原因になります。網膜剥離は眼内から治す硝子体手術と眼の外から治す網膜復位術(強膜バックリング術、網膜輪状締結術)またはその両方で治療します。

2)黄斑上膜

黄斑上膜には特発性と続発性があります。加齢性変化によって起こる特発性黄斑上膜と、外傷、ぶどう膜炎、他の病気によって引き起こされる続発性黄斑上膜があります。黄斑上膜は黄斑の上に膜上組織が貼り付いて収縮するために、網膜にも牽引する力が働くため網膜が歪みます。そのため直線状の物を見ても歪みが出たり、視力が低下したりします。硝子体手術では黄斑上膜を取り除き網膜に掛かっている牽引を取り除きます。硝子体手術の術後も歪みは残りますが、それでも術前の歪みの程度の半分程度まで回復することが多く見られます。

(黄斑上膜 術前の網膜断層写真)・・・網膜の上に黄斑上膜が見られます。
サージカルレチナ画像1

(黄斑上膜 術後の網膜断層写真)・・・網膜の上に黄斑上膜は見られません。
サージカルレチナ画像2

3)黄斑円孔

黄斑円孔は黄斑の中心窩に円い孔が開く病気で、加齢性変化による黄斑円孔と、サッカーや野球のボールなどが強く当たって起こる外傷性黄斑円孔などがあります。症状は視力低下、変視症です。また、近視の強い強度近視の患者さんの中には黄斑円孔に網膜剥離を合併する黄斑円孔網膜剥離を起こすこともあります。

(黄斑円孔 術前の網膜断層写真)・・・黄斑の中心に孔が開いています。
サージカルレチナ画像3

(黄斑円孔 術後の網膜断層写真)・・・黄斑の中心の孔が閉鎖しています。
サージカルレチナ4

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