緑内障クリニック、NTG(正常眼圧緑内障)クリニック

緑内障クリニック 第1・3 木曜日 午後

NTG(正常眼圧緑内障)クリニック 第2・4 火曜日

■緑内障とは

緑内障は、視神経乳頭、視野の特徴的な変化を少なくとも一つは有し、通常眼圧を十分に下降させることにより、視神経障害の改善あるいは進行を阻止しうる、眼科の機能的・構造的疾患である、と日本緑内障学会による緑内障ガイドラインに示されています。眼圧に関係し、もしくはそれ以外の要因で視神経が傷害され、目で受け止めた光の情報を脳に送ることができなくなるため、視野がかけてくる病気といえます。

■緑内障クリニックの対象となる方

  1. 緑内障が見つかってから間もない方
    緑内障は、長い経過をたどる病気のためその初期に病型を分類し、それに応じた治療を行う必要があります。何年も先に比較に役立つように眼圧、視野、眼底などの記録を残すようにします。眼圧日内変動、頭部CT等も必要になることがあります。
  2. 点眼治療を行っているが、視野が進行している方
    緑内障はどのような病型であっても眼圧下降療法は有用とされます。しかし、点眼をしても眼圧が下がらない場合、点眼内容の調整、レーザー治療、手術療法を検討しなければなりません。眼圧が下がっているのに視野が進行する方も他の病気の要素が無いかもう一度調べる必要があります。
  3. 手術療法を行っても、視野が進行している方
    緑内障手術は、創が治る力があるため、予定通りに手術ができても、しだいに眼圧が上昇してくることがあります。このような時は病態に対応した再手術が必要になります。
  4. ほかの病気や、病気の治療に関係して緑内障がないか調べる必要のある方
    眼科のぶどう膜炎、糖尿病などの全身疾患、先天性疾患、眼科以外の病気治療のためのステロイド使用に際してなど、様々な場面で緑内障が生じてくることがあり、原疾患の治療と併せて緑内障の治療を開始する必要があります。
  5. 他にも緑内障に関係した臨床的な問題のある時に受診していただいております。

■検査内容

  1. 眼圧検査
    ゴールドマン圧平型眼圧計が正確さの点で標準として使用されます。かなり正確な眼圧計とされますが、中心角膜厚が薄いほど眼圧が低く表示される性質を持っているため角膜厚も必要時測定します。小児や往診時にはi-careリバンウンドトノメーターも便利です。もちろん正確に測るときは鎮静下にパーキンス眼圧計で測定します。日中の診察時にその方の最高値を示さず夜間に高値をとる方もおられるので、眼圧の日内変動の測定を行っています。また季節変動も少しあることが知られていますので、日時をかえて何度も測定することが大切です。
  2. 隅角検査
    眼の排水管のある場所で、そのままでは見えないので隅角鏡を眼にのせて調べます。隅角の開き具合や色素沈着の他、新生血管や炎症による結節など多くの情報が得られます。
  3. 視野検査
    ゴールドマン視野検査(GP)、ハンフリー視野計(HFA)を基本に行っています。
  4. 視神経乳頭検査
    緑内障になると視神経乳頭陥凹が拡大してきます。細隙灯顕微鏡と前置レンズによる検査が基本となります。後日、比較ができるように眼底写真を撮影します。また視神経乳頭の形状の評価機器としてOCTを利用しています。
  5. 超音波検査(UBM)
    高齢の女性に多いとされる急性の緑内障(閉塞隅角緑内障)の評価に使用します。
  6. 中心角膜厚検査
    眼圧の補正に使用します。
  7. 頭部CT検査、頭部MRI検査など画像検査
    眼の異常ではなく頭蓋内疾患で視野異常が現れることがあります。除外診断に使用します。

当科の特性として電子カルテが導入されているため、各種検査を総合的に扱えます。またグラフ化等の処理も可能であるので、眼圧や視野の傾向を把握するが容易になっています。

■手術

年間約140件の緑内障手術を行っています。

当科がぶどう膜炎を専門としているため続発緑内障の割合が高くなっています。ぶどう膜クリニックと連携し、消炎をはかった上で手術を行っており、良好な結果を得ています。

また糖尿病網膜症にかかる方が増えたため糖尿病網膜症からの新生血管緑内障もふえています。網膜硝子体クリニックと連携しアバスチン硝子体内投与を併用した線維柱帯切除術を行っています。

緑内障手術を含め何らかの手術既往のある方も多くなっています。

■研究内容

緑内障の発症、進行には遺伝的要素が関係しているであろうことは以前より知られていました。教室のテーマとして全ゲノムのSNP解析を用いた緑内障の疾患感受性候補遺伝子の検索とその機能解析に取り組んでいます。

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