横浜市は深刻かつ典型的な都市型地域医療の課題を抱えています。
高齢化に伴う急性期病床の過剰、回復期・慢性期病床や地域の介護力等の不足、大学病院の使命である高度医療、急性期医療を終えた患者を地域に戻す際の困難さなど、これらの状況を打開し、大学病院の健全経営を担保するためには、以下の資質を備えた人材の育成が不可欠です。
⑴医療安全や病院管理等の基本的資質に加え、地域毎の医療環境の中での自院の戦略的ポジショニングを考え、大学病院を変革する力
⑵地域の医療・介護システムを構築していく中で大学ならではのリーダーシップを発揮し、病院単独では解決できない経営問題をその地域の行政、医療・介護の担い手、住民等と協働しながら解決する力
本事業では、経営に意欲のある者、特に病院長・幹部候補者の育成のために、医療安全、医療政策、医療経営に関する体系的な知識を学ぶ機会と、履修生の希望に合わせ特に注力したい専門分野を学ぶ機会を用意します。それに加え、横浜市というフィールドを用いて実際に地域や大学病院の経営課題に取り組み、指導者や履修生との議論の中で能力を高めていくことを重視し、以下に取り組みます。
i) 病院長・幹部候補者になるための要件としての変革人材履修証明プログラムの開発
ii) 大学病院長が先導する経営改善プロジェクトに参画し、自らの考えで経営課題を解決するケーススタディ演習の実践
iii) 自治体行政などと連携した都市の地域医療システムを議論する場に参加した問題解決と提言能力の養成
iv) 横浜型育成モデルとして、蓄積した教材とケースをその後の履修生教育および他地域へ波及
「都市型地域医療を先導する病院変革人材育成」事業リーフレット(PDF)