・9月中旬、新型コロナウイルスの集団感染(クラスター)が発生した横浜市内の高齢者福祉施設に対して、運営する法人と横浜市立大学附属病院の事前の合意に基づきCT検診車を派遣しました。
・施設では、山城准教授はじめ横浜市立大学附属病院の医療チームと施設のスタッフが連携して、PCR検査で陽性が確定した入所者やPCR再検査となった入所者(陽性・陰性の判定が初回の検査で困難で、再度検査が行われた方)を対象に、CT検診車でのCT撮影と迅速な画像診断を行い、診断結果を法人・施設側の医師や看護師に伝達しました。
・このような高齢者施設の入所者は、そもそも日ごろからCTを有するような大きな医療機関を受診することが難しく、新型コロナウイルスへの感染がPCR等で確定しても、施設内では肺炎の画像診断や重症度の判定が困難なため、適切な受入れ医療機関が見つからず入院調整に長い時間がかかることが指摘されています。
・今回のケースでは、CT検診車を活用したことで、新型コロナウイルス肺炎の有無やその他の基礎疾患の最新の状態が、医療機関を受診せずとも施設内で判断でき、施設から保健所への情報伝達やその後の受入れ医療機関の調整が極めてスムーズに進みました。福祉施設でのクラスター発生において、現場での重症度判定などにCT検診車が有効である可能性が示唆されました。
【当日の様子より】
準備を整えて横浜市立大学附属病院を出発する直前のCT検診車
2020.09.29