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第78回日本医学放射線学会総会のご報告②

本年度新入局の岸本先生より参加報告の記事を頂きましたのでご報告致します。

 

入局1年目ということで、今回初めて日本医学放射線学会総会に参加させていただきました。

この学会総会は4月11日から14日まで延べ4日間開催され、一般演題のほか、教育講演やシンポジウム等、多岐にわたるプログラムで構成されています。今回の学会総会は、「革新的な放射線医学を-患者に寄り添って-(Innovative Radiology close to the Patients)」を主題として、AI技術を用いた画像診断にまつわる話題等で大変盛況しておりました。

個人的に興味を持ったのは、小児の頭部外傷のCTの抑制に関する講演です。小児は放射線に対する感受性が成人に比べて高いため、CTを行うことによって発がんリスクが高まるということが知られています。しかし、小児の頭部外傷での頭部CTの3分の1程度は不要な場合もあるとのことでした。こうした状況を踏まえ、とある病院では、NICEクリニカルガイドラインという診察所見や既往歴等を参考とした新たな基準を用いることで、小児頭部CTの撮影を大幅に抑制できたとのことでした。

私がこれまでに勤務してきた病院では、小児の頭部外傷に対して、小児科や脳神経外科の医師の個々の診察のなかで頭部CTの撮影有無を決める等、個々の裁量に任せられていた部分が大きい状況にありました。このため、このようなガイドラインの存在に知ることができたことは、自身にとって新たな発見となりました。

今後も、こうした学会へ積極的に参加することを通じて、普段の病院での診療では得られない最新の知見を吸収していくとともに、日常業務にも活かしていきたいと思います。

2019.04.22