新着情報

加藤真吾准教授の心臓CTのCAD-RADSの虚血性心疾患の予後予測における有用性に関する論文がRadiology Advancesに掲載されました。

論文情報

タイトル:Prognostic significance of CAD-RADS for patients with suspected coronary artery disease: A Systematic Review and Meta-analysis

著者: Shingo Kato, Mai Azuma, Nobuyuki Horita, Daisuke Utsunomiya

掲載雑誌: Radiology Advance

https://doi.org/10.1093/radadv/umae007

目的

 冠動脈CTのレポーティングシステムであるCoronary Artery Disease Reporting and Data System(CAD-RADS)は、冠動脈疾患(CAD)の患者の予後評価に有用である可能性が示唆されています。このメタアナリシスでは、CAD患者におけるCAD-RADSの予後評価の有用性を評価することを目的としました。

材料と方法

 PubMed、Web of Science Core Collection、Cochrane advanced search、およびEMBASEの電子データベースを系統的に検索しました。主要な心血管イベント(MACE)の予測における各CAD-RADSカテゴリーと受信者操作特性曲線(AUC)の下の領域に対するプールされたハザード比(HR)を評価するためにランダム効果モデルが実施されました。

結果

 13件の研究から得られた37,596件の冠動脈CTA検査のデータが分析されました。フォローアップ中に2,536件(6.7%)の有害事象が観察されました。有害事象の予測におけるすべてのCAD-RADSカテゴリーでHRは有意であり、カテゴリーが高くなるにつれてHRは増加しました。全死因死亡率の予測では、CAD-RADS 1を除くすべてのカテゴリーでCAD-RADS 0と比較して有意なHRが示されました。CAD-RADSを従来の臨床的リスクファクターおよびCACと組み合わせることで、有害事象の高い予測能力が得られました(プールAUC: 0.82 [95% CI: 0.73-0.91])。

結論

 CAD-RADSカテゴリーはCADの重症度に関する情報を提供し、特にCAD-RADS4bを超えるカテゴリーで進行的にHRが増加し、有害事象のリスクが高まりました。この研究よりCAD-RADSは冠動脈疾患の診断のみならず、リスク層別にもおそらく有用であろう可能性が示唆されました。

2024.05.22