近年、血管周囲の炎症が不安定プラークの形成を促進し、 急性冠症候群の発症をもたらす可能性が示唆されています。この指標として冠動脈周囲の脂肪組織濃度(Perivascular fat attenuation index: FAI)が注目されています。血管周囲の炎症があるとFAIが高くなるとされています。冠動脈CTで評価を行うため、冠動脈血管周囲の炎症を非侵襲的に評価ができます。今回、メタ解析を行い、FAIと冠動脈イベント発生との関連性を調査しました。
結果としては、右冠動脈もしくは左冠動脈前下行枝のFAIが心血管イベントと関連しており、リスク層別化に有用な可能性が示されました。FAIは非常に早期の動脈硬化性変化(炎症)のマーカーため、生活習慣の改善や薬物療法で改善が期待できる可能性あり、今後の研究が待たれます。
Prognostic Significance of the Perivascular Fat Attenuation Index derived by Coronary Computed Tomography: A Meta-analysis.
Shingo Kato MD, PhD, Nobuyuki Horita MD, PhD, Masahiro Hoshino MD, Tsunekazu Kakuta MD, Daisuke Utsunomiya MD, PhD
URL: https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1109966622000975?via%3Dihub
2022.08.03