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2022年度のリサーチクラークシップを当科で行った谷垣 俊樹君の論文がJournal of Cardiovascular Magnetic Resonanceに掲載されました。

 近年、虚血性心疾患の治療においては、心筋虚血のみを評価して治療したのでは十分な予後改善が得られず、微小循環を含めた包括的な評価を行い、微小循環を改善させる考え方が主流となっています。   

 冠静脈洞の位相差シネMRIによる血流測定によりglobal CFRを評価することができます。複数の論文にその有効性が報告されています。今回の研究では、現在までに出版された論文のメタ解析を行いMRI を用いた微小循環の評価について臨床的な有用性を検討しました。

 47報の論文を統合した結果、冠動脈疾患や肥大型心筋症、拡張型心筋症などの心疾患においてCFR は健常者と比較して有意に低下しており、冠動脈疾患においては将来の有害心イベントの独立した規定因子であることが確認されました。今後のさらなる臨床応用に期待が持たれます。

 谷垣君、おめでとうございます!

Coronary flow reserve evaluated by phase-contrast cine cardiovascular magnetic resonance imaging of coronary sinus: a meta-analysis

J Cardiovasc Magn Reson. 2023 Feb 20;25(1):11. doi: 10.1186/s12968-023-00912-5.

Toshiki Tanigaki, Shingo Kato, Mai Azuma, Masanori Ito, Nobuyuki Horita, Daisuke Utsunomiya

2023.03.01