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森岡 翼技師の第二世代DLRを用いた心臓CTによる合成ECVの定量評価に関する論文が掲載されました。

論文タイトル:Improvement of Quantification of Myocardial Synthetic ECV with Second-Generation Deep Learning Reconstruction

著者:Tsubasa Morioka, Shingo Kato, Ayano Onoma, Toshiharu Izumi, Tomokazu Sakano, Eiji Ishikawa, Shungo Sawamura, Naofumi Yasuda, Hiroaki Nagase, Daisuke Utsunomiya

論文情報:J Cardiovasc Dev Dis. 2024 Oct 2;11(10):304. doi: 10.3390/jcdd11100304.

心筋の細胞外液分画(ECV: extracellular volume fraction)は心筋線維化の定量評価や心臓アミロイドーシスの診断に有用な指標ですが、血液のヘマトクリット値を必要としない合成ECV(synthetic ECV)が注目されています。この方法ではヘマトクリット値を単純CTの血液内腔のCT値より推測するので、高画質のCT画像が必須です。第二世代ディープラーニング再構成(DLR: deep learining reconstruction)の有用性を検討しました。本研究では、4つのCT再構成法(ハイブリッド逐次再構成(HIR)、モデルベース逐次再構成(MBIR)、DLR、第二世代DLR)による合成ECVの定量結果を比較した。

80例の心臓CTデータを後方視的に解析し、導出群と検証群に分け、導出群では非造影CTの右心房CT値とヘマトクリット値の回帰分析を行いました。その回帰式を用いて、検証群において合成ヘマトクリット値を算出し、合成ヘマトクリット値から計算した合成ECV値と血液検査によるラボECV値の相関と平均差を評価しました。

結果、全ての再構成法で合成ECVとラボECVの高い相関(R ≥ 0.95, p < 0.001)が確認されましたが、Bland-Altman Plotにおけるバイアスと一致限界は第二世代DLRで最も小さいことが示されました。この結果より、第二世代DLRによる合成ECV値は正確な心筋線維化の指標として有用であると考えられます。

2024.10.28