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心房細動患者の潜在的な心臓アミロイドーシスの頻度に関する論文がHeart and Vesselsに掲載されました。

論文名:Prevalence of cardiac amyloidosis in atrial fibrillation: a CMR study prior to catheter ablation.

著者:Mai Azuma, Shingo Kato, Shungo Sawamura, Kazuki Fukui, Ryouya Takizawa, Naoki Nakayama, Masanori Ito, Kiyoshi Hibi, Daisuke Utsunomiya

掲載論文:Heart Vessels. 2024 Jul 29. doi: 10.1007/s00380-024-02447-w. Online ahead of print.

心臓アミロイドーシスは大動脈弁狭窄症や心不全患者に10%程度潜在的に存在することが知られています。現在は効果的な薬物療法が存在するので的確に診断することによって予後の改善が期待できます。この研究では心房細動患者に合併する心臓アミロイドーシスの頻度をMRIを用いて明らかにしました。

MRIが撮影された193人の心房細動患者のうち、8人が心アミロイドーシスの確定例または疑い例であり、その頻度は4%(8/193人)であった。多変量解析により、拡張末期における心室中隔の厚さ(LVSd)が心アミロイドーシスの独立した有意な予測因子であることが同定された(OR:1.72、95%CI:1.12-2.87、p=0.020)。IVSdの最適カットオフ値は、Youden indexに基づいて12.9mm以上と決定された。このカットオフ値では、感度は75.0%(95%CI 34.9-96.8%)、特異度は92.3%(95%CI 87.4-95.7%)であり、心臓アミロイドーシスが確定または疑われる患者の同定が可能であった。IVSdが12.9mm以上の患者における心アミロイドーシスの確定例と疑い例の頻度は30%(6/20例)であった。また、生検で証明された心アミロイドーシスの有病率は10%(2/20例)であった。

心肥大を伴うアブレーションが予定されている心房細動患者における心アミロイドーシスの有病率は無視できない。

2024.07.30