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当科助教 加藤真吾の原著論文が、米国心臓血管MR学会(Society for Cardiovascular Magnetic Resonance)の学会誌 Journal of Cardiovascular Magnetic Resonanceに掲載されました

Incremental prognostic value of coronary flow reserve determined by phase-contrast cine cardiovascular magnetic resonance of the coronary sinus in patients with diabetes mellitus

Kato S, Fukui K, Kodama S, Azuma M, Iwasawa T, Kimura K, Tamura K, Utsunomiya D. 

J Cardiovasc Magn Reson. 2020 Oct 8;22(1):73. doi: 10.1186/s12968-020-00667-3.

 

糖尿病患者を対象とし、心筋微小循環障害の指標である冠動脈血流予備能(coronary flow reserve: CFR)を心臓MRIを用いて評価した論文。

糖尿病患者は動脈硬化症のハイリスク群であり、狭心症や心筋梗塞の原因となる冠動脈の狭窄のみならず、心筋の微小循環の障害の頻度が多いことが以前より指摘されている。このような、心筋微小循環障害をもつ患者群では、冠動脈狭窄に対してPCIやCABGなどの血行再建術を施行しても予後改善が不十分であり、大きな問題となっている。

 

本研究では薬物負荷位相差シネMRIにより、造影剤を用いることなく、糖尿病患者の微小循環障害を評価し得た。今後、この方法を用いることにより、心血管イベントのハイリスク群の同定や、SGLT2阻害薬などの心血管イベント予防の薬剤の効果判定への臨床応用が期待される。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33028350/

2020.10.30