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安田尚史助教らが執筆した間質性肺炎のCT定量解析に関する研究論文がDiagnosticsに掲載されました。

論文情報

タイトル:Evaluation of Progressive Architectural Distortion in Idiopathic Pulmonary Fibrosis Using Deformable Registration of Sequential CT Images

著者:Naofumi Yasuda, Tae Iwasawa, Tomohisa Baba, Toshihiro Misumi, Shihyao Cheng, Shingo Kato, Daisuke Utsunomiya, Takashi Ogura

掲載雑誌: Diagnostics (Basel). 2024 Jul 31;14(15):1650. doi: 10.3390/diagnostics14151650.

この論文は私がRSNA2021で発表した解析法を用いて、特発性間質性肺炎(IPF)の胸部CT画像から肺の気管支や血管の移動量(3D-AD)を定量評価し、その結果と予後との相関を調査したものです。間質性肺炎の病態を反映して肺表層の移動量は内部よりも有意に大きいこと、また多変量解析では独立した予後不良因子であるということが示されました。臨床現場では、間質性肺炎の胸部CT画像をモニターに並べて比較するだけでは線維化の進行を判断することが困難な場合がよくあります。しかし本研究の解析法を用いて肺の移動量を定量化し、カラーマップとして可視化することで、間質性肺炎の画像診断に不慣れな放射線診断医でも早期に病気の進行を認識しやすくなり、患者の適切な治療・管理に繋がることが期待されます。 最後に、貴重なデータを提供していただいた神奈川県立循環器呼吸器病センターの先生方、論文作成にあたり多くの助言をいただきました当科の加藤准教授および宇都宮教授、そしてこの研究テーマで国際学会での発表から論文作成の指導までしていただいた神奈川県立循環器呼吸器病センター放射線診断科の岩澤先生にこの場を借りて心より感謝申し上げます。

2024.08.14